あれから
大事なものを失って、全ての感性が一旦眠りについてから約1年がたった。
少しずつ回復しているのを感じる。
おかげで仕事には大いに支障が出た。
まあこれも人生だろう。
ふと思えば、
大学3年性の時からだったように思う。
これまではちきれそうな想いで、なんとか当座を凌いでいた気持ちの糸が
プッツリと切れた。
学校の成績は9割の評価が平均だったところから、5割の評価が平均になるまで
落ちた。
踏ん張ることをやめたのだった。
今踏ん張る力は筋肉のようなものだと思う。
一度その力が低下すると、再びつけるまでには時間と労力がかかる。
だから、机の上で知識を詰め込む「お勉強」などではなくても
部活で運動を続けていたり、ピアノを長く続けていたという人が
社会に出てからはしなやかに生き残れるのだと知った。
続ける筋力がどんな場面でも生かされる。
目に見えない何かの力が圧倒的に足りない私には
えも言われぬ無力感が襲った。
しんどかった。
自分のこれまでしてきた努力は積み上げたものではなくて、
「学習」と呼ぶにはあまりにもその場しのぎの付け焼き刃が連続して
城を作っていたように見えたに過ぎなかったのだと思った。