ブローチ

ブローチを見て想う。

 

 

私はこのブローチを手に入れることで何を得たかったのかな、と。

 

3年前の夏、タイの夜市で買った煌びやかなブローチ。

孔雀の羽根のような形に、色とりどりのストーンが埋め込まれている。

 

水色、碧色、黄色、薄ピンク、コーラルピンク、赤、エメラルド、、、、、色とりどりだ。

 

花柄にストーンが配置されていたりもする。すごいや。

 

 

 

 

 

ただ、

実用的ではない。

マグカップぐらいの縦幅で、非常に重いので

 

何につけても物がよれてしまう。

結果、彼らは家に駐在している。今、こうして

 

机の上にいて、

 

私の眼の前にいる。

 

 

ブローチを買うときの衝動みたいな物は

「これを手に入れたい、ただ、美しいものを自分のものとしたい」

 

 

そんな感情だったと思う。

 

ブローチに限らずそうだ。

美しいものを目にした瞬間に欲しくなる気持ちは

 

私の場合いつもそうだ。

 

 

だとしたら、自分は

無意識で

 

この美しい物をどうしたくて欲するのだろう。

 

別にそれを持っていることで褒められたいからという思いで物を買ったことは

 

 

思い出せる限り1度もない。

 

いつだって理性では判断出来ない部分で

どうしても欲しくなってしまうのだ。

 

 

 

それは美という感覚への探究心なのか、

接近して

やがて一体化することを本能的に望んでいるから湧き起こる衝動なのか。

 

それはどうやって知ろうか、

今の所知るよしはない。

 

 

けれど、こういう感覚は

 

忘れずにいたい。